昨夜寝かしつけの読み聞かせも終わり
電気を消して真っ暗になった寝室で
突然息子が
「前に音読の途中でおばあちゃんから電話が
あって怒っちゃったことがあったよね。
あれ、ぼく悪かったなぁって思ってたんだ。」
と言い出した。
ちょうど難しい言い回しの文章の時のことだ。
もう少しで終わりそう！というところで
突然病院の母から電話がかかってきた。
母は病室からたまにかけてきていたのだが
その時は息子も途中で止められてしまったことで
泣いてしまい
私もそんな状況にイライラしていた。
思わず母に
「この時間にはかけてこないで！」
と言ってしまったのだ。
結局その日は録り直しはせず
残りの文章を読んでもらって音読を終えたが
後でフォローの電話をしたものの
結局その後
ほとんど電話がかかってくることはなかった。
帯状疱疹やコロナにかかり
免疫力が低下してしまった母に
もはや電話をかける余裕はなくなっていた。
あの日のことを息子は覚えていたのだ。
寝る前にまた二人で泣いた。
息子の懺悔を聞いて
私も悔いた。
今思えばそんなの録り直しすればよかったこと。
そんなことで怒って
母に寂しい思いをさせてしまったこと。
一人病室でどんなに寂しい毎日を送っていたか。
息子は泣き止んだあと
疲れてすぐ寝てしまったが
私はそのことが頭から離れなくて
携帯の受話履歴を延々と眺めていた。
もうその時は戻ってこないのに。
今後悔したって遅いのに。
