最後に母に手紙を書いたのは
一体いつだっただろうか。
クリスマスカードなどは書いていたけれど
手紙は書いていなかった。
小学生の時?
母の日?
それも思い出せないくらい昔のことだ。
母の携帯に送り続けたメールも
最後の数ヶ月は未開封のままだった。
未送信のメールもたくさんあったが
文字を入力できなかったことがわかる。
母が書いていたメモも見たが
令和6年と書いていたけれど
西暦は1924年になっていた。
一生懸命生きようと
頑張っていたのが伝わる文字だった。
棺に入れるお手紙を息子と二人で書いた。
息子も家にあるレターセットの中から
一生懸命選んでいた。
一緒に書いていたら涙がこぼれそうで
下を向いて書けなくなったので
席を外して戻ってくると
息子も泣いていた。
二人で声を上げて抱き合って泣いた。
息子が寝たあと
シンと静まり返った部屋で
母への最後の手紙を書いた。
ちゃんと読んでくれるだろうか。
亡くなる前にも伝えたいことは
全て伝えたから後悔はしていないけれど
手紙にもたくさん書いた。
今度こそ本当に本当に最後の手紙。
明日
渡してきます。