母は
既に下顎呼吸、 死前喘鳴が起こっていて
息子が見ると
イビキをかいて寝ているだけのように見える。
既に呼んでも反応はなく
今まで息子が呼びかけることで
起こっていた奇跡もない。
意識のない状態。
それでも改めて母の生命力には驚かされる。
私はいつも息子と一緒に病室へ行っていたが
とうとう息子から
「これ以上ここにいるのはつらい。」
と言わせてしまった。
まだ「死」について
何となくわかっていても
ハッキリと理解できているわけではない息子に
悪いとは思いながらも
いつも一緒に病室へ行ってもらっていたのは
息子が呼びかければ再び反応するのではという
淡い期待もあったが
私一人では、現実に直面するのが怖いから
息子に側にいてもらいたかったのだ。
息子には
申し訳ないことをしているのはわかっていた。
だけど夫にも
かなり仕事の調整をつけてもらってしまったので
これ以上頼れない。
だからこそ息子に頼ってしまっているのだろう。
既に準備は済んでいる。
けれど待っている時間が長くなればなるほど
私も精神的に参ってしまうのだ。
ここに記した気持ちも
いずれ後悔することがあるかもしれない。
自責の念を込めて記しておく。